足裏マッサージでホカホカ

不妊の方が時々いらっしゃいますが、治療は一様ではありません。
たくさんの患者さんを経験していろいろなタイプがあることを知りました。

ざっくり言うと卵巣の機能が落ちている(生理不順、基礎体温の乱れなど)のか受精卵が育ちにくい子宮になっている(足腰や骨盤内の冷え)のか。

それぞれ施術のポイントが違いますが、足の冷えはどちらのタイプにもよくあります。
先日の患者さんは足裏がとても硬かったので、グイグイやらせてもらいました。
ちょっと痛かったと思います(ごめんなさいね)。硬いとあまり強く押さなくても痛いのです。

足裏(特に土踏まずの辺り)の硬い人、押すと痛い人は必ずと言っていいほど足冷えがあります。
で、それをしっかりほぐすと足が温まるだけでなく全身がホカホカとしてくるのです。これは私の実体験でもあります。

鍼灸学校の3年生の時、グループ研究の時間がありました。何人かでテーマを決めて研究し、レポートを書いて全校生徒の前で発表もするのです。私のグループはその頃流行し始めていた足のリフレクソロジーをテーマに選び、本当に効果があるのか、学生を被験者にして調べました。

クラスメイトに頼んで、ベッドサイドモニターをつけて心拍と血圧をずっと計測しながら足裏のマッサージをするのです。左右15分ずつ、合計30分ひたすら足裏を押してほぐします。

そんなに多くはできませんでしたが、血圧の高い人は下がり、低い人は上がるという面白い結果が出ました。血圧を下げる効果、というのではなく正常化作用があるのです。当然正常血圧の人はほとんど変化がありませんでした。

その時に私も被験者になってやってもらいましたが、その頃は足冷えがあったせいかマッサージした後に足の裏がゆるんだだけでなく、全身の巡りがよくなり、ホカホカした感じがその後ずーっと続いたのです。これは大変面白い経験でした。たぶん、硬い人や冷えている人は同じように感じると思います。


通常は全身をほぐすので足裏だけに時間をかけることはないのですが、不妊の場合は毎週通っていただいていろいろな側面から体を整えていくので、最初のうちは硬いところを順にほぐしていくというやり方をする場合があります。時間をかけると確実に変化するのが嬉しいです。

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NHK「産みたいのに産めない」

23日のNHKスペシャル「産みたいのに産めない 卵子老化の衝撃」はなかなかショッキングな内容でした。放映に先立って定時のニュースでは全国調査の結果を報道していました。
以下、NHK NEWS webからの 引用です。

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不妊原因「卵子の老化」が約半数 NHK NEWS web6月23日

多くの夫婦が不妊に悩む原因や背景を探るため、NHKが全国の専門医療機関に調査を行ったところ、女性が年を重ねるとともに妊娠しづらくなる、「卵子の老化」に原因がある患者の割合が半数近くに上ることが、初めて明らかになりました。
専門家は「卵子の老化が知られていないことが、不妊に悩む夫婦の増加に拍車をかけている」と指摘しています。

不妊の検査や治療を受けた夫婦は6組に1組に上り、より高度な不妊治療である体外受精の件数は年間で21万件と、5年で倍増して、世界最多になりました。
NHKでは、その原因や背景を探るため、先月から今月にかけて調査を行い、全国の専門医療機関の半数に当たるおよそ300と、不妊治療をしている患者など8000人余りから回答を得ました。
このうち、医療機関に対して、不妊の原因について聞いたところ、女性では、30代半ばを過ぎると卵子の質が低下して妊娠しづらくなる「卵子の老化」に原因がある患者の割合は、平均で47%と半数近くに上ることが分かりました。
また、初診患者の平均年齢を35歳以上と答えた医療機関は77%に上りました。
10年前は20%にとどまっていたことから、卵子の老化によって妊娠が難しくなってから治療に駆け込む人が相次いでいる実態が、初めて明らかになりました。
引用おわりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この、初診患者の平均年齢に大変驚きました。
出産しようという人たちの年齢が本当に上がっているのです。

30年ほど前は20代前半に結婚し20代後半には子どもがいるのが一般的でした。
「クリスマスケーキ」の時代。

10数年前は5歳くらい後になり、30歳頃に結婚。30歳を前にバタバタと結婚していたように覚えています。

それが今では30歳を過ぎてからの結婚が増えたのですね。この10年で結婚年齢がさらに遅れた事が調査でわかります。


そういえば不妊で治療室にいらっしゃる患者さんもここ数年は20代の方は一人もいません。35歳過ぎの方がほとんど。以前は20代の方が多かったのに。

鍼灸治療で妊娠に持っていくのはある程度時間がかかりますが、そういう方にとって妊娠可能な時間はあまり多くはないので、3ヶ月くらい治療して手応えがなければ病院での治療をお勧めします。
40歳前後で採卵する事さえできないで苦労した患者さんを何人も知っていますから。


以下引用ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方、35歳以上の女性患者の中で、不妊治療を始めるまで、「卵子の老化」について「知らなかった」と答えた人が、55%と半数を超えました。
こうした患者の53%が、体外受精をすれば45歳まで妊娠は可能と考え、中には50歳まで可能と考えていた患者も17%いました。
日本産科婦人科学会によりますと、体外受精など高度な不妊治療で出産できる確率は、卵子の老化の影響で、45歳では0.5%に低下します。
引用終わりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


結婚が早かった時代は「結婚=妊娠」くらいの勢いで、翌年には子どもがいるのが一般的でした。ハネムーンベビーも普通のこと。私なんて、結婚のちょうど1年後に妊娠したかも、と産婦人科に行ったら「今まで何してた?」って言われましたもの(ちょっと口の悪い先生だった)。

今、不妊に悩んでいる人たちの親はそういう世代の人たちです。「結婚すれば妊娠する」みたいに思っていて、早く結婚しないと妊娠しにくいという認識はなかったのかも知れません。不妊の患者さんに聞くと30過ぎると妊娠しにくい、と親から言われたという人はほとんどいません。


番組によると、卵子の老化など不妊に関する日本人の知識は世界でも最低レベルだそうですが、ほんのちょっと前まで不妊はすごく恥ずかしいことで家族に話すのもはばかられる、治療していることも隠す(親にも)、まわりも気を使ってその事に触れない、という感じでしたから、それもうなずけます。正しい知識がないからおおらかに話すこともできないのだと思います。


先日本屋で『ヒキタさん、ご懐妊ですよ』というタイトルを見かけ「おおっ」と思いました。「男45歳・不妊治療はじめました」という副題にある通り、男性不妊の体験談です。私の知る限り初めてです、男性不妊の本。

勇気あるなあ、ってやっぱり思いますね。野田聖子さんの『私は産みたい』を読んだときも、治療体験や夫婦間のことを率直に書いてあって、偉いなあと思いました。

不妊について恥ずかしいとか隠したいとかいう気持ちはまだまだ根強くあると思いますが、こうした番組や本で理解が進むことを強く願っています。


今日の花・スイカズラ  ほんのりと甘いいい香り

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妊娠力

今朝(5月15日)の朝日新聞、医療のページのコラム、妊娠力がテーマでした。何回か連載されるようです。今日の記事は卵子について。

「卵子は細胞分裂を途中で止めた状態で眠っている。思春期以降は毎月一定数が目覚め育つが、時間が経つほど自然消滅が増えたり、染色体に異常が出て育たなくなったりする」なんて書いてあるとちょっと焦りますね。

確かに30代後半になると、体外受精しようと思っても採卵できない、という方がいます。卵子が育っていないとか、卵胞は大きくなるのに中に卵子がない、という状態です。前にいらした患者さんで病院を変えて薬の使い方を変えたらうまくいったという方もいますが、漢方薬と体操で体力がついて卵子が育つようになり、妊娠された方もいます。

30代後半といっても人それぞれ。すんなり妊娠する人もいます。その違いは簡単には言えないでしょうが、基本的な体力や生活習慣は大きな要素です。冷えに気をつけ、毎月の生理に目を向けているか、夜遅くまで仕事をしていないか、適度な運動をしているか・・・。そういったことが意外に大事なのではないかと
思います。

都会で夜更かしして朝方寝るような生活を続けたら生理が止まってしまい、排卵を促す薬を飲んでも効果がなかった、でも、郊外の実家に帰って夜は寝る、3食ちゃんと食べるという生活になったらよみがえってきた、という方もいました。人間の生理に素直にしたがった生活、と言えばいいのでしょうか。

記事は成人女性の卵巣からとった細胞をマウスの卵巣に入れたら卵子のような細胞に育った、という最近の研究を紹介していましたが、そっちに走るのではなく足元に目を向ける方が先ではないかしら。

妊娠出産のためにいい生活を心がけるというのではなく、健やかな人間らしい生活の先に妊娠出産がある、ということを忘れてはいけないと思います。

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「妊活」に思う

昨日の記事、いきなり「妊活」ではわかりにくかったかも。

「妊娠について正しい知識を得た上で、人生設計を考えたり、出産に向けた体づくりをしたりすること」5月9日朝日新聞)で、最近女性誌の特集や本の出版が相次いでいるのだそうです。
男性並みの働き方を求められて頑張って、妊娠いにくい体になってしまわないように、ということでしょうか。

でも、あんまり「妊娠出産」って力を入れて言われるのもなあ・・・、とかあまのじゃくな私は思ってしまいます。「女の幸せは結婚!」「出産したら仕事やめて子育て!」って言われた若い頃を思い出す。

妊娠出産はもちろん大事なことですが、セルフチェックというかセルフメンテを心がけて自分の体をあなた任せにしないのが一番なのではないか、と思うのです。
 

先日、布ナプキンで体に向き合う、という講座を依頼されました。詳細が決まったらまたここでお知らせしますが、その内容をいろいろ考えいて、布ナプキンが大事、というよりそれを通じて毎月の生理のことを気にかけるとか、自分の体をいとおしく思うということが大事なのではないか、捨てるのではなく繰り返し洗うことで自分の体に向き合うきっかけにしてほしい、といった内容にすることにしました。

ムレない、カブレない、温かいといったメリットの他に、生理が嫌なものでなくなった、今月はどんなかなと気になるようになったというような感想が結構あるのです。

邪魔臭いものではなくて毎月の体からのお便り。
実際、そのときの体調を反映することはよくありますから。
 

「妊活」と言われると、妊娠・出産が目的になっているのでちょっと底が浅い感じがしてしまいます。
自分の体に向き合って、自分でメンテするという習慣がベースにある、その上でのものであってほしいと思います。


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妊活・・・確かに知ることは大事

9日付の朝日新聞、妊活についての記事がありました。

就職の時には働きながら産める企業を見極めて、と学生に語る女子大の授業。

結婚が遅いならなおさら基礎体温をつけて体調のチェックをすることが大事、と勧める産婦人科医。

基礎体温、毎日つけるのが大変なら排卵前後の1週間だけでいい、と呼びかける不妊ルームを開設する医師。

確かに、不妊で来る人を見ていると月経の周期が長かったり生理痛がひどかったりしても気にしていない人が多いような気がします。何ともならない、しょうがない、病院に行くほどのことではなさそうだし、と思っているのかもしれません。

20代半ばまでに多くの女性が結婚していた頃なら、月経不順などをそんなに気にしなくても「若さ」で産めていたのだろうと思います。でも、今や平均初婚年齢が28.8歳、第1子の平均出産年齢は29.9歳だとか。

このところ、卵子の老化がテレビで取り上げられたりして30代後半になると妊娠しにくくなるということが知られるようになりました。でも、年齢だけでなくどういう生活をしてきたか、月経は順調だったかということも、妊娠には大きく関わってきます。

体調の把握や冷え対策、健康的な生活(夜更かししない、ご飯はちゃんと食べる、適度に運動する)を心がけることは妊娠するしないに関わらず大事なこと。女性には毎月の月経という体調を教えてくれる体からの便りがあるのですから、邪魔くさいと思わないで気にかける習慣をつけるといいなと思います。

でも。
「妊活」という言葉にはちょっと抵抗を感じます。

婚活、就活、保活など何でもすぐに「○活」になってしまいますが、マニュアル本、ハウツー本みたいな印象なのです。なんだか薄っぺらな感じがすると言うか、マニュアルとはちょっと違う気がするんだけど、という感じ。

これさえしておけば大丈夫、というハウツーではなく自分の体や人生に対する心構えみたいなものだと思うのです。それが根底にあって、では次にどうするといいのかが出てくる。そういうものだと思いますが、「○活」ではそのニュアンスが伝わってきません。

こんなこと考える人はあまりいないかもしれないけれど。

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卵子の老化

14日に放送されたNHKのクローズアップ現代。

「産みたいのに産めない 〜卵子老化の衝撃〜」というタイトルで、不妊治療をしてもなかなか妊娠に至らない原因になっている卵子の老化を取り上げていました。見逃してしまいましたが、NHKのサイトに「放送内容丸ごとチェック」というページがありました。

30代後半になると妊娠しにくくなる現実や、卵子の凍結保存(結婚がまだ先になりそうなので卵子が老化する前に確保しておく)の試みなどが紹介されていました。

不妊治療を始めて4年目という44歳の女性は卵子が老化するなどとは知らず、仕事優先の生活を送ってきたことを後悔していました。うちの治療室にくる不妊の患者さんも「30歳すぎたら妊娠しにくくなるなんて誰も教えてくれなかった」と言います。確かにその通りで、私も20代のうちに一人目を産んだ方が体が楽、とは言われたことがありますが、妊娠しにくくなるとは聞いたことがありませんでした。

でも、少し前までは30歳くらいまでに結婚していましたから、30代で産んだとしても二人目とか三人目ということが多く、35歳や40歳で最初の子を産むという人自体が極めて少なかったのです。適齢期という言葉が死語になり、30代後半以降に結婚する人が増えて、卵子が老化するために妊娠しにくいということが認識され始めたのだと思います。

今は、結婚したら仕事をやめて主婦になるという時代ではありません。仕事に慣れて実績をあげ始める時期と出産の適期が重なっている、出産でキャリアを中断したくない、という現代的な問題なのだなあと感じました。

でも、39歳や40歳で出産された患者さんもいますから必ず卵子が老化してしまうわけではないし、20代から健康的な生活を送るように気をつけることが大事だと思います。冷やさない、適度に体を動かす、生理不順を放置しない、夜更かしを避ける、食事はきちんととるなど、特別なことは何もありませんが、不妊でいらっしゃる方の中には冷えていたり体力が落ちている人が結構多いのです。

働く女性と企業向けに女性の体の変化と働き方をリンクさせたマニュアルを作っているNPOが紹介されていましたが、働き方も妊娠にはずいぶん関係しています。ハードに働いていても「こんな働き方をしていては妊娠できない」と思う人は少ないでしょうから、こうした試みで女性の健康に対する認識が深まるといいなあと思います。

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体外受精、今昔

今年のノーベル医学賞はイギリスのロバート・G・エドワーズ師が受賞しました。体外受精の先駆者です。

体外受精による初めての赤ちゃんが誕生して世界を驚かせた時のことは記憶にあります。。「試験管ベビー」と呼ばれ、まるで試験管の中で成長するかのような印象を受けました。実際はシャーレの中で精子と合わせて受精させ、子宮に戻すということだったのですが。

10年ほど前だったか、最初に生まれた赤ちゃん、ルイーズちゃんが結婚して無事出産したころがニュースになりました。「どんな子になるだろう、ちゃんと子どもが産めるだろうか」という世間の関心に対して答えが出たという感じでした。

以前はごく特殊な治療法ととらえられていましたが、不妊で来院される患者さんの口ぶりから、ここ数年の間にごく当たり前の技術になってしまったなあと感じています。開業当初は体外受精に対する抵抗も強く、西洋医学の力には頼りたくない、という方もよくいらっしゃいましたが、今はほとんどいなくなり、病院での治療を後押しする(より妊娠しやすい状態にする)治療が多くなりました。

今回のノーベル賞は「特殊な治療」だった体外受精が世界的に普及し、その是非は別としても不妊治療のステップの一つとなったということの証でしょう。

32年経過してノーベル賞がお墨付きを与えた。そういう印象を持ちました。

それにしても、エドワーズ氏は85歳とか。化学賞の鈴木章氏も80歳。長生きすることも受賞の条件の一つですね。

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高齢になると妊娠しにくい?

高齢出産、というか高齢での妊娠についてさらに考えてみました。

「生理がある間は妊娠できると思っていた」

「30歳過ぎたら妊娠しにくいって誰も教えてくれなかった」

生理があるからと言っていくつになっても妊娠できるわけではない、と言われればなるほどそうかと思いますが、30代後半以降の出産自体はそう珍しくはなかったと思います。

たとえば、

母方の祖父は末っ子で曾祖母が41歳の時の子です。

父方の祖母は42歳で10人目を産んでいます。さすがに末っ子です。

私の同級生でも、13歳下の弟がいる、とか17歳離れた弟がいるという人がいました。多分お母さんは30代後半で出産されたでしょう。

だから、昔でも30代後半以降の妊娠はあったのです。現代との違いは、一人目ではなく二人目以降が多かった、ということでしょう。結婚年齢が早かったのでたいていの人は30代初めまでに一人目を産んでましたから。

当然、もう一人産みたいのになかなかできないという人もいたでしょうが、出産はしているので不妊とはカウントされなかったと思います。

一方で、30代後半以降に最初の妊娠を迎えようという人は大変少かった。妊娠しなければ不妊ということになりますが、絶対数が少ないのであまり目立たなかった。産婦人科医は認識していたかもしれませんが、一般には知られていなかったのではないでしょうか。

医療技術の進展で卵胞や卵子の様子が外からわかるようになり、年齢との関係がはっきり言われるようになってきたのも最近のことです。

・・・と、考えると「誰も教えてくれなかった」のも無理はありません。年齢が上がると妊娠そのものが難しくなるというということはほとんどの人が知らなかったのです。誰も教えられないわけです。

 

そう考えると、若い方がいいということになりますが、治療室にいらっしゃる患者さんを見ていると、年齢が上がったからといって誰でもが同じように変化するわけではないことがわかります。40歳過ぎて自然妊娠した方もあるし、治療の他に体操教室やヨガ、漢方薬などで体力が回復して妊娠された方もいます。

今までで一番印象に残っているのは、卵胞は大きくなるのに卵子が育っていなくて採卵できないということが続いた方。西洋医学の治療と漢方薬と体操教室の3本立てで妊娠に至られました。報告の電話をいただいた時はうれしくて私までホロリとしてしまいました。

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高齢出産

今朝のNHK「アサイチ」で高齢出産をとり上げていました。

42歳で出産した歌手の取材レポートを中心にその年齢での出産のメリット、デメリットについて語られ、番組の最後に、アメリカで卵子の提供を受け来年50歳で出産する野田聖子衆議院議員のインタビューがありました。

短いインタビューでしたが、「子どもと生きたい」という強い気持ち、養子も検討したがかなわなかったこと、卵子の提供を受けての出産について子どもにはこう説明したい、ということなどが語られ、彼女の気持ちに対する理解が深まりました。

その中で印象に残ったのは、

「生理がある間は産めると思っていた」という言葉です。

確かに40歳を過ぎて自然妊娠する人もいます。不可能というわけではありません。でも、誰にでもできることというわけでもない。むしろ、ごくまれなことです。体外受精を試みても、採卵できなくてあきらめる人も多いのです。

あきらめた、という話は誰も積極的に話さないのであまり聞かないけれど、芸能人などの「40過ぎの出産」はニュースになるので、大丈夫なんだと思ってしまうのかもしれませんね。

30代半ばで不妊に悩む人からもよく聞きます。

「まわりも自分も結婚すればすぐにできると思っていた。30過ぎたら妊娠しにくいなんて知らなかった。」

・・・・うーむ。

今ではさっぱり聞きませんが、かつて、「結婚適齢期」という言葉がありました。

女性は22歳くらいから25歳くらい、男性はそれより3歳くらい上の年齢。女性が30歳で未婚だと恥ずかしい、という時代。大学の同級生で卒業と同時に結婚した人もいましたが、「ちょっと早いかな」と思う程度でした。今ならできちゃった婚以外は考えられないかもしれませんね。ほんの30年くらい前の話です。

結婚したら二人だけの生活を楽しむなんてことはなく、すぐに子どもを産むのも当たり前とされていました。だから、その頃の常識でいえば「結婚すればすぐにできる」ということになります。

当時、職場の先輩で29歳で結婚した人が「こんな年で子どもができるかしらって心配した。」と言っていたのを覚えています。30歳近くなると妊娠しにくいのではないかという認識があったということだと思います。他にも、20代のうちに一人目は産んでおいたほうがよい、ということもよく聞きました。若いので妊娠中も産後も楽、というような理由でした。30歳過ぎると産婦人科では「高」のハンコがカルテに押されていました。

最近は30歳過ぎの出産が増えて当たり前のことになったので「20代のうちに産んだ方がいい。」なんて誰も言わなくなってしまったのかなあ、と思いながら見ていました。

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不妊治療について考えたこと

最近、不妊の患者さんが続いたので片付けていたホットプレートを出し、焼き塩灸を紹介しています。皆さん例外なく「気持ちいい・・・・」と。塩と布巾はプレゼントしているので、一度治療室でやったら、後は自宅でやっていただきます。

暑い季節なのでどうかなあと思いましたが、やっぱり冷えがあるのですね。

足の裏が硬くて、押すと痛い! というのも共通しています。ゴリゴリしていて、かなりの痛さです。太腿の内側も硬い。

その硬さが取れるとつかえていたものが流れ出す、という感じがするようです。人によっては上半身がポッポしてくることもある。お腹の中の循環もよくなります。

冷えが気になる人は結構厚着です。靴下の重ね履きをしたり、くるぶしから腿の付け根まであるレッグウォーマーをはいていたり、腹巻きをしていたり・・・。冷えてしょうがないというならそれでもいいのですが、なんとなく心配だから、という人には「寒いような気がしたら歩くとかして体を動かして下さい」と言います。

筋肉を動かして血のめぐりをよくして温かい体にしていくのです。

足裏や内腿の硬さは施術のたびに少しずつとれて、ほぐれてきます。

 

不妊の方には日常生活のアドバイスもいろいろしていますが、思いついて、このブログの不妊治療のカテゴリに書いたものに冷え性の解消法も加えてプリントして渡すことにしました。

患者さんによって必要なセルフケアは違うので全部する必要はありませんが、それぞれのやり方やなぜ必要かという考え方がまとめてあるので便利かな、と。

 

生理の周期が長い、冷え性がひどい、あまり体力がない、などといった自覚はあっても、自分が妊娠しにくいなんて思いもしなかった、という方ばかりです。結婚すれば妊娠できると、周りも自分も思っていた、と。

私が結婚した30年前は確かにそうでした。同世代の多くは結婚して1,2年後に子どもが生まれていました。大学卒業後25年の同窓会に行った時(47,8歳)同じテーブルを囲んだ男女8人の全員に高校生の子どもがいたので驚いたことがあります。第一子だったり末っ子だったりしましたが、30歳前後で生まれた子がいるということです。

その頃と今を比べてみると、かなりの人が20代で結婚していた(特に女性は20代後半で未婚だと居心地が悪い)、日常でもっと足腰を使っていた(車や家電が普及していなかったり今ほど便利でなかったり)、食べ物がもっと質素だった、結婚した女性は仕事を辞めるのが普通だった(いい悪いは別としてのんびりできた)、など結構違いがあります。

日々の生活が便利で体はなまっている、一方で女性も働くのが当たり前でかなりキツイ働き方のこともある、結婚も遅い・・・・。現代ではそれだけのことで妊娠しにくくなってしまうのでしょう。でも、逆に考えると、冷えや体力の問題が解決されれば妊娠の可能性はかなり高まるということもできます。

実際、そういうよい状態を取り戻して妊娠される方がたくさんいらっしゃいます。自分でするお灸とか、ゆっくりお風呂に入る、足腰をしっかり動かすなど、ちょっと面倒ですが自分でできることもいろいろある。

治療で治してもらう、という部分もありますが、そういう自分ですること、いわば養生が大事なのが不妊治療です。

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