産後の内転筋強化トレーニング

先日、産後2ヶ月の患者さんに相談されました。

 
「家に、脚の内側を鍛える健康器具があるんですけど、やってもいいでしょうか。そろそろ体力つけたいと思って」
 
ああ、新聞でよく宣伝してるアレね。立った姿勢(立つだけだと開いてしまうようになってる)で左右の脚をグイーっと寄せてくる、内股の筋肉を強くするやつ。
 
実は、少し前にグイーッと寄せる、を10回ほどやっただけで翌日股関節が痛くて立てなくなった、という患者さんがいたのです。
 
その方はちょっと内股気味で股関節が狭くなっているようだったので、「カカトをつけて足先を開き、お尻をギュッと引き締める」というのをやってください、とアドバイスしていました。

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これは寝ていても立っていてもできます。左右のお尻をくっつけるように力を入れるのです。 
 
大臀筋を引き締め(仙腸関節を締める方向)、股関節の前の部分を開くので股関節が動かしやすくなる体操です。脚の外側にも力が入ります。
 
一方、内転筋強化の器具は脚の内側の力を使うので、お尻引き締めの逆の部分を鍛えることになります。
 
患者さんはうっかり方向が違う運動をやってしまい、股関節の内側が窮屈になって立てなくなってしまったのではないかと推測されます。
 
 
・・・・という話をして、産後は仙腸関節がまだ緩み気味でどちらかというとお尻を引き締める方が大事なのでむやみにやらない方がいいと思う、とお話ししました。
 
 
あ、でも内転筋強化自体がよくないというより、器具を使った運動は負荷が大きくて負担になりそう、という話です。膝でボールを挟んで軽く力を入れる程度なら様子を見ながらやってもいいのではないかと思います。
 
器具を使ったトレーニングは、効果が大きいのですが、場合によってはバランスを崩してしまうので、産後はある程度体力が回復してからやるようにした方が無難です。
 

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産後講座のプログラム

まだ、依頼があったわけではないのですが。産後の方向けの講座をやってみませんかと声をかけているところがあって、デモンストレーション用に講座内容を考えてみました。

 
産後、というとお母さん向けのものと赤ちゃん対象のものになります。
 
考えてみたのは次の4つ。
 
1.自分でできる産後の骨盤調整
・・・模型を使った骨盤の説明
   いわゆる「骨盤のゆるみ」とはどこがどうなっているのか。
   自分で整える方法は?
 
 
2.親子体操
・・・跳んだり走ったり、抱っこして体操したり、子どもと一緒に楽しむ体力作り
 
 
3.姿勢に気をつけてスタイルアップ
・・・座り方、抱き上げ方の工夫と簡単体操で猫背改善・筋力強化
   姿勢を意識した子育てでスタイルもよくなる!
 
 
4.赤ちゃんと遊ぼう!
・・・首座り、寝返り、ハイハイから自立歩行までの発育段階に応じた遊び方
   赤ちゃんの動きの意味がわかって、赤ちゃんとの時間がより楽しくなる。
   ハイハイがなぜ大切かの説明も。
 
 
今、一番やりたいなあと思うのは4の「赤ちゃんと遊ぼう」です。赤ちゃん体操をベースにして発育を促す働きかけをして遊ぶのですが、長男の子育ての時にこれで結構楽しみました。
 
 
解剖学で脊椎の成長(頸椎の前湾・胸椎の後湾)を習ったとき、それが首座りとお座りに通じることに気づき、なるほどーと感心してしまいました。
 
そういう発育の視点から見ると赤ちゃんの動きは一つ一つ意味があって、とっても面白いのですよね。それを邪魔しないようにするだけでちゃあんと育っていくのだから、ホントによくできてる。
 
そういう視点をお伝えしたいと思うのです。
 

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近所(名古屋)を散歩していたら白い花がいい香りをさせていました。ハチミツのように甘い香り。プリペットという花のようです。

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産前産後の股関節の痛み・・セルフケア

妊娠中や産後の股関節の痛みのセルフケアは腰痛対策とほぼ同じです。

 
要するに仙腸関節を引き締めて股関節を広げるための、大臀筋強化体操です。
例えば、一番簡単なのは寝ていてできるお尻引き締め。寝てもできるし、立ってやってもOKです。

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体操ではないけれど、お尻を落とす座り方のような「やってはいけない姿勢」にもご用心。

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おむつ替えの時のこういう姿勢もいけませんよ。お尻が広がっちゃいます。

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産後は忙しくて体操に気が回らないことが多いので、いつでもどこでもできることをポイントに考えます。

 
もちろんやれる余裕があれば、骨盤調整体操も有効です。

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こういった体操の中から、その方の体の状態(何が必要か)や環境的にできるかどうか(子育てのサポート体勢など)を考えて紹介しています。
 
自分でやってみようと言う方は、
1.お尻じギュッと力を入れ、引き締めて筋力アップ
2.割り座や横座りなどお尻が緩むことはしない
これを念頭においてやってみてください。

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産前産後の股関節の痛み・・・原因と対策

産後に腰痛になる方もいますが、股関節が痛くなる方もいます。

痛くなる場所は違いますが、両方とも原因は同じ「仙腸関節のゆるみ」です。

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このイラストは骨盤を前から見たものです。背骨の下にある穴のあいた逆三角形の骨が仙骨。左右にあるのが腸骨(いわゆる腰骨の辺り)。仙骨と腸骨の間を仙腸関節と言いますが、ここは靭帯(じんたい)でがっちり固められた部分で、ちょっとやそっとでは緩みません。

でも、お産の時はこの靭帯が緩んで骨盤がひろがります。産後はそれがすぐには戻らず、しばらくは緩んだままなのでそのために腰痛になることがありますが、股関節が痛くなることもあります。

これは仙腸関節と股関節が裏表の関係にあるためで、散歩や立ち仕事で痛くなったり、寝ていて姿勢を変える時に痛かったりします。

産後でなくても妊娠中に股関節が痛くなるのは、ホルモンの変化で全身の関節が緩み気味になり、仙腸関節や股関節が不安定になるためだと考えられます。

治療するときは、股関節のまわりに緊張がある場合はほぐして動きやすくし(緊張が無い場合はやたらとほぐしてはいけない)、最後に仙腸関節を引き締めます。

腰の奥にある腸腰筋も骨盤を支えようとして硬くなり、骨盤周囲のバランスが悪くなっていることがあるので、硬い場合はそこもほぐします。

だいたいその場で痛みが取れますが、念のため1、2週間後にもう一度見せていただきます。2回目の時には施術の他に仙腸関節を引き締める体操をお教えして、自分で筋肉をつけることでいい状態を維持してもらうようにしています。

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産後の膝痛対策・・膝まわりの筋トレ(イラスト)

産後の膝の痛みの原因の一つが筋力と負荷のアンバランスです。

 
簡単にいうと、
「産後あまり動かないので足の筋力が落ちる」+「赤ちゃんを抱っこするので負担が増える」ということ。
 
自分の筋肉の実力以上の仕事をすると、必然的に筋肉痛になりますが、関節を支える筋肉が弱っていると関節の炎症になります。それが、膝関節痛となるわけです。
 
炎症の初期は安静にすることが大事ですが、腫れやひどい痛みがないなら膝まわりの筋力強化をしましょう。 
 
赤ちゃんの世話で忙しいお母さんにお勧めするのはこの体操。

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イスに座ってスネを交差させ、片方は曲げる、片方は伸ばす方向へ力を入れます。左右それぞれ7秒くらいずつ、思いっきり力を出します。見た目は何にも動いていないように見えますが・・・。

このイラストだと、右脚の太腿裏(ハムストリング)と左脚の太腿前(大腿四頭筋)の筋肉がしっかりします。

座ったままできるので、いつでもどこでもできます。ちなみに、うつ伏せになって膝を立てて同じことをするのが一番力が出ます。人によっては太腿裏がつります。

こういう、体重の負荷のかからない動きをすることが膝の筋トレのポイントです。 

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産後の膝痛対策・・座り方を変える(イラスト)

産後に膝が痛くなるという方もありますが、腰痛に比べて症状が軽いというか、日常生活の注意をすればよくなることが多いのです。

 
でも、時々膝に水が溜まるくらいひどくなってしまうこともあります。
「水が溜まる」というのは炎症が起こってそこにリンパ液などの水分が集まるために起こる現象で、病院で抜いてもらっても炎症が治まらないとまた溜まります。
 
産後の膝痛は、子育て期特有の体の使い方(おむつ替えや授乳の体勢)や赤ちゃんを抱くことで負荷がかかることが原因になることがほとんどです。
 
床の上でおむつを替えたり、畳の上で授乳したりする時に横座りや割り座で座ると膝に大きな負担をかけます。その姿勢から赤ちゃんを抱いたまま立ち上がるというのも、膝に無理をさせます。
 
産後は1ヶ月くらいは布団を上げないで疲れたらすぐに休むようにしますが、そうした生活で脚の筋力が落ちたところへ普段より負担のかかる生活をするわけですから、気をつけないと膝を痛めるのも無理ありません。
 
痛くなったら、おむつ替えの姿勢を見直すこと。膝を曲げて横に倒さないことが大事です。腰痛対策と同じ姿勢です。ベビーベッドがあればその上で替えるのもいいでしょう。

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授乳はイスやソファなどに座り、膝の上にクッションを乗せて赤ちゃんを高い位置に持ってきます。床だとどうしても膝を曲げて横に倒すことになるので、床には座らないのがベストです。
 
赤ちゃんをあやす時も膝に負担を感じるようなら、バランスボールに座って揺らすと楽チンです。立ってあやしているような揺れ加減なので、赤ちゃんも喜ぶし、膝には負担がかかりません(落っこちないように注意して乗ってくださいね)。
膝痛対策、もう一つは膝まわりの筋トレですが、長くなるのでまた明日。
 

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産後の腰痛対策、研究中

ブログとYouTubeを見た友達がこんなメールをくれました。

youtubeの猫背治しのほのまき体操も見て、早速やってみたら、胸から上が全部こって、痛くて変だったのが、けろっと良くなりました。頭痛もよくなったし、鍼灸の治療に行こうと思ってたのが、行かなくても済みました。

こういう反応が一番うれしい。軽い症状なら自分でなんとかできるってうれしし、楽になると達成感も味わえる。もちろん施術を受けた方がいい場合もありますが、自分でできることもたくさんあります。
 
そんな方法を日々研究中です.
今考えているのは産後の腰痛対策。出産で仙腸関節の靭帯がゆるみ、それがなかなか戻りきらないといろいろな症状が出ます。
 
例えば、
・腰痛(朝起きた時に痛くて、動いているうちに治まってくる)
・尾骨の痛み(尾骨や仙骨が当たって仰向けに寝にくい)
・股関節の違和感や痛み(微妙にはなっていない感じがする、長時間歩くと痛くなる)
・ふとした時に腰がキヤッとする
などなど。これらはみんな、仙腸関節が関係している可能性があります。
 
産後に限りませんが、普段の姿勢や体の使い方を変えるだけでかなりよくなります。例えば、おむつを替えるときの姿勢はこんな風に。

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骨盤が立つ座り方です。
このブログでも紹介していきますが、人によって痛みの出方も座り方も結構違います。質問や感想など教えていただけるとうれしいです。
ご連絡はコメント欄やメールで。

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春日井で親子体操

昨日は春日井の”子育てひろば・ふぁいん”さんの集まりで親子体操の指導をさせていただきました。

お母さんと一緒に来たのはハイハイの赤ちゃんもいましたが、ほとんどが1〜2歳の子。会場をアチコチしたり床に寝て体操しているお母さんの上に乗っかったり喧嘩して泣いたり・・・、というにぎやかで楽しい雰囲気の中の教室でした。つい、私の声も大きくなる(笑)。

床に座るときの姿勢、おむつ替えの姿勢、抱き上げるときのポイントなど子育てで腰を痛めないコツも紹介しましたが、改めて考えるとこういうことを教えてくれる場ってあんまりないかも知れません。

産前はマタニティヨガをしていたという人が「あの時に教えてもらった姿勢を産後も続けなきゃいけなかったのね」と言ってました。はい、その通りです。

お産で骨盤がゆるんでいるのに授乳やおむつ替えで腰を丸めがちな産後の生活ですが、骨盤を立てる、座骨で座るというのはすごく大事です。おむつ替えなどの時はお尻の下にクッションを入れる(おむつの袋のそばに小さいクッションとか置いておくと思い出します)、抱き上げるときは背中を曲げないように、といった体の使い方も紹介しました。


お腹引き締め体操でウエストを一瞬で細くし、肩コリ・首コリ対策にはお団子マッサージ。これは寝転がってやるのでたちまち子どもがお腹に乗ってきますが、それでもできるのがいいところです。

小さい子どもがいると気が抜けない生活ですが、何か一つでも続けて気持ちよい毎日になるといいなあと思います。

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産後の骨盤によくない姿勢

産後間もない方向けの親子体操の時に伝えるようにしているのが、産後の骨盤の状態をよくするための姿勢(授乳・座り方・おむつ替えのやり方など)です。

お産の後は骨盤(正確には仙腸関節)がゆるんで尾骨が少し出っ張って、仰向けに寝ると痛みを感じることがあります。しばらくして骨盤が戻ると自然に治まりますが、産後の生活って前屈みの姿勢が多いので、気をつけないと長引くことがあります。

前屈みになる(腰が丸くなる)姿勢の第一は、授乳の姿勢。赤ちゃんを抱くという姿勢がそもそも背中を丸くしますが、赤ちゃんをおっぱいのところまで抱き上げないといけないので、背中を伸ばすというわけにはいきません。でも、必要以上に丸めることはありませんから、できるだけお尻を高くして(膝より高く)、背中をあまり曲げないようにして座りましょう。

また、おむつを替える時も注意が必要です。床で替えようとするとどうしても姿勢が低くなりますから、重ねた座布団の上で替える、正座して背筋を伸ばす、クッションにお尻を乗せて高くする、といったことをして、背中が丸くならないように気をつけることが大事です。

くつろぐ時にソファに沈む込むように座ると、これまた背中が丸くなってしまいます。腰や背中が当たるところにクッションを当てて、背中を伸ばしたままもたれるように工夫すると腰に負担がかかりません。

赤ちゃんがはいはいするので床に座ることも多くなりますが、直接お尻をついて座ると腰が丸くなりがちですから、こちらも注意が必要です。クッションを腰の下に入れ、仰向けに寝て伸びをすると腰が伸びて気持ちいいものです。赤ちゃんを抱っこしたままでもできますよ。

産後の腰痛や尾てい骨の痛みがなかなかとれない時は、普段の姿勢をチェックしてみることも大事です。心当たりのある方はちょっと気にかけてみてください。

 

※座り方についてイラストで説明しました。こちらも参考にしてください(2013.4.14)  ・床に座る  ・ソファに座る

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ベビーマッサージと親子体操

今日はくらしを耕す会のズーニーカフェで「ベビーマッサージと親子体操」の講座でした。

赤ちゃんや子連れの方4組の参加で、楽しいひとときでした。
赤ちゃんも2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月。それぞれの発育段階がわかって「大きくなるとあんなことできるんだ」などと言い合いながら。

最初に、産後の骨盤の状態を説明してから赤ちゃんがいてもできる体操、赤ちゃんと一緒にやる体操の体験。一緒に来た6歳のお兄ちゃんをお借りして私も実演(うーん、赤ちゃんと違って結構重かった)。

赤ちゃんのいる忙しい暮らしの中でできる、簡単な体操にしてあります。中には赤ちゃんの背筋とお母さんの腹筋が同時にしっかりする”おいしい”体操もあります。一昨年、お母さん型にモニターを頼んで開発した体操です。

その後はマッサージ。オイルをつけてマッサージすると赤ちゃんもうっとりと気持ち良さそうにします。途中でおっぱいタイムをとりながら和やかな時間でした。写真を撮ろうと思ったのですが、カメラを忘れてしまいました。しまった!! 

今年は2ヶ月に1回、ベビーマッサージと親子体操の企画をしています。次回は4月14日(火)午前10時からです(問い合わせ。申し込みはくらしを耕す会 052−851ー7200まで)。

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